T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済みです。

税理士試験の公開模試の受け方

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

今回は公開模試の受け方についてのお話です。

 

2022年税理士試験の受験申し込みが5月10日から始まります。予備校の公開模試の申込みも始まっています。今年の公開模試は、Tが6月16日~19日、Oが7月4日~10日に実施されます。

 

1. 各予備校の公開模試の特徴

(1) 試験問題

試験問題については、両校とも毎年近年の出題傾向を踏まえた良問が出題されます。問題の矛盾や資料の不備などが少なく、本番以上に実力差が明確となる問題となっています。両校ともプライドをかけて(?)本番で出題される可能性が高い本命の論点を出題しており、どちらでも問題の質に優劣はないと思います。本番ではどちらか一方の公開試験の内容のみが的中となることもありますが、これは運次第と思います。

 

(2) 受験者数・レベル

両校の公開模試ともに多くの受験生が受けており、受験生のレベルも高いです。合格レベルに達している受験生は少なくともどちらかの公開模試を受けていると思います。

 

(3) 合格判定

両校とも十分な受験生を確保しており、合格判定のための母集団は十分です。問題による運不運も本番の試験以上に少なく、また、長年のデータ蓄積に基づく合否判定を行っており、両校とも合否判定の精度は高いと思います。

 

(4) 試験時期

試験時期は毎年Tが6月中旬、Oが7月初旬となっています。Tは公開模試から本番まで1カ月半程度ありますので、公開模試の結果が悪くても挽回する時間が少し残っていますが、Oは公開模試から本番まで1カ月を切っていますので挽回するのは容易ではありません。

 

(5) 採点期間

Tは試験結果の発表が試験最終日から2週間程度かかる一方、Oは試験最終日から1週間程度で結果が発表されます。Tは少し間延びしていると感じるでしょう。

 

(6) 受験方法

両校とも各予備校の教室又は自宅で受験することができます。通信制や外部生でも予備校の教室で受験することができます。Tは予備校の教室のほか本番で使用される大学等でも受験することができます。こちらも通信制や外部生でも選択することができます。

 

2. 公開模試の受け方

公開模試はできればTとOの両方受験した方が良いと思います。上記のとおり両校とも本気の予想問題を出題してきますし、公開模試で解いた問題は普段の答練以上に記憶に残りやすく、本番で出題された場合に差がつきます。

公開模試は会場(各予備校の教室か大学等)で受験しなければなりません。本番と同様に、制限時間がきっちり2時間でテキスト等は絶対に見ることができないという本番と同様の環境で受験することが重要です。自宅受験は意味がありません。少なくともTかOの片方は会場受験をしなければなりません。会場受験と自宅受験で平均点が10-15点も変わったりします。いかに自宅受験が無意味だということが分かります。

試験時間についても、できれば本番の試験時間に合わせた方がいいと思います。本番が午前中であれば公開模試も午前中、本番が午後であれば午後の公開模試を受けた方がいいです。もちろん、仕事等により都合がつかなければ他の時間帯でも良いと思いますが、自宅受験だけは避けて会場受験をしなければなりません。

 

3. 合否判定

私は公開模試の合否判定は本番の結果に直結すると思います。公開模試の結果は保管していないのですが、合格した5科目の直前の公開模試の結果は全てS判定かA判定でした。S判定かA判定をとって不合格となった科目はありません。逆に、B判定以下で合格となった科目もありません。公開模試後には全受験生が勉強の強度を上げてきますので、逆転は難しいと思った方が良いです。

こちらこちらの記事で直前は公開模試を目標に学習するようお勧めしているのは、上記の私の経験によります。

 

4. 公開模試の復習

公開模試の受験後にはすぐに解答を確認して、間違えに応じた復習をしなければなりません。

(1) 計算

公開模試の計算問題は普段の答練の総合問題とレベルは変わらないと思います。公開模試の時点で計算が合格レベルに達していないと厳しいです。解答を確認して正解すべきところを正解し、時間配分にも問題がなかった場合には、本番までに総合問題の復習と間違いメモの見直しをしておけば良いと思います。

個別論点の弱点が見つかった場合には、その論点を集中的に復習し弱点を潰しましょう。

全体的に間違いが散見されたり時間が足りなかったりしている場合はかなり厳しいです。答練の計算問題のうち易しいものから順次復習をして計算力を上げるしかないです。

 

(2) 理論

理論については、間違えた箇所がA・B論点なのか、べた書きか応用論点かで対応が変わります。A・B論点のべた書きについては、自己採点で8-9割書けていれば問題ないと思います。採点結果では細かく減点されているかもしれませんが、本番までに暗記の精度を上げることで対応可能です。

A・B論点のべた書きで得点が取れていない場合には、早急に暗記する必要があります。あまりよい状況ではありませんがあきらめずに本番までに暗記しましょう。

応用論点で間違えている場合には、べた書き部分の暗記に問題ないことを前提に、答練や応用理論問題集で柱挙げの練習をすれば本番までに十分間に合うと思います。

C論点やA・Bに含まれない改正論点(数年前の改正で未出題の論点など)で得点が取れていない場合は、他の受験生も高得点が取れていないと思い割れるのでそれほど気にしなくてもいいです。ただし、本番で同様の問題が出題された場合には、合格者は確実に得点してきますので関連する論点も含め少なくとも7割程度の精度で解答できるようにしましょう

 

今回はここまでとなります。

GWの学習

こんにちは、T-アレックスです。

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今回はGWの学習についてのお話です。

 

GWに入ると本番の試験まで100日を切り、毎年GW明けには税理士試験の受験申込が開始されます。いよいよ本番直前となります。ここから学習の強度を上げて本番まで駆け抜けましょう。

 

1. GWの位置づけと目標

年間スケジュールの記事でも書きましたが、試験後の8月や基礎期の9月の連休、年末年始などは家族、職場やプライベートのイベントに参加する余裕はまだありますが、GWにはイベントに時間を割く余裕はありません。GWにいかに質・量ともに高いレベルの学習ができたかが合格に直結します。学習が遅れている受験生にとっては、まとまった学習時間が確保でき、遅れを挽回することができる最後の機会となります。

直前期の学習の記事でも書きましたが、GWは6月、7月の公開模試でA判定を取ることを目標に学習するとよいと思います。

 

2. 計算

計算については、学習が遅れている個別論点がある場合には、集中してその論点を学習し弱点を潰しておかなければなりません。GW後に個別論点を復習する時間はないと思った方がいいです。

上級~直前期の総合問題の2回目、3回目の解き直しを行い、間違いメモを活用して計算を合格レベルまでに仕上げます。GW明けからは、計算の額種は総合問題を2日に1回程度解く程度にとどめ、理論の学習時間を確保しなければなりません。

 

3. 理論

(1) 理論暗記

理論は、A、B論点と改正論点を暗記します。

A、B論点についてはGWで全論点8-9割は書けるように暗記します。その後本番までに暗記の定着と残り1-2割の精度の向上に努めます。

改正論点については、4月になるとその年度の税制改正の内容が固まり、直前期の予備校の講義でも触れられると思います。改正論点は、将来的にはC論点になりそうだったとしても、改正後3年程度で未出題の論点は確実に暗記しましょう。改正論点以外のC論点は合格レベル受験生でも白紙にならない程度の暗記の精度で完璧には暗記していません。本番で出題されてもあまり差が付かないと思います。改正論点については改正後3年程度は出題の可能性が高く、合格レベルの受験生はきちんと暗記しており、本番の試験で出題されると差がつき合否に直結します。私は、改正論点がマイナーな論点だと勝手に判断して暗記をしなかったことがありました。その論点が本番の試験で出題され当然ながらその試験は不合格となりました。

(2) 応用理論

GWはA、B理論の暗記が出来ていることを大前提として、答練や応用理論問題集を用いて応用理論の学習を本格化させます。事例問題の学習法についてはこちらを参照してください。

 

GWの学習が税理士試験の合否に直結しますので頑張りましょう。

今回はこれまでとなります。

第72回税理士試験公告と直前期の学習

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

1. 第72回の試験概要

4月8日に国税庁から第72回税理士試験(令和4年度(2022年度))の要領が発表されました。

令和4年度(第72回)税理士試験公告|国税庁

試験日が8/2-8/4、合格発表が11/30(水)となっています。

2021年度は試験日が8/17-8/19、合格発表が12/17(金)でした。

 

(1) 試験日

試験日は、2021年から2週間ほど前倒しになり、例年通りの8月初めに戻りました。

試験日程の変更はコロナの影響に試験験会場確保の都合と思います。

8月は税理士事務所や企業の経理部門では一般的に閑散期です。2週間の試験日程の前倒しは、受験生にかなりの影響があると思います。

 

(2) 合格発表

合格発表は11月末となり例年より2週間半前倒しになりました。また、例年金曜日に発表されていましたが、水曜日の発表に変更となります。曜日の変更は2021年10月から日本郵便から普通郵便の土曜配達を取りやめたためだと思います。2020年までは合格発表の通知は金曜日に発送され、多くの地域では金曜日か土曜日には配達されていました。2021年からは土曜日に配達されなくなり、合否の結果を月曜日まで待たなければならなくなった受験生が多く出たためだと思います。

合格発表日の曜日の変更より科目合格者もネットで結果を公表すべきと思います。官報合格者はネットで合格発表当日の午前中に公表されるので科目合格者の受験番号をネットで公表するぐらい簡単だと思います。なぜ、そのような簡単なことができないのか私には全く理解できません。

合格発表日の前倒しは評価できますが、もう1ヶ月半ぐらいは早く合格発表をしてほしいところです。学習計画や科目選択に大きな影響があります。

 

2. 直前期の学習

4月に入り税理士試験の要領も公表されるといよいよ直前期に突入です。ここからの学習が合否を分けると思います。

自分の勉強の進捗状況と試験までの日程を考えて、学習スケジュールを立てましょう。

マイルストーンとしては、(1)4月~GW、(2)GW~公開模試、(3)公開模試~本番となります。

 

(1) 4月~GW

3月までに予備校の応用期のカリキュラムは終わっています。直前期のカリキュラムをこなしつつGWを利用して応用期の内容を完璧にする必要があります。

計算については、応用期の答練の2~3回目の解き直しを行い計算の精度を上げます。計算は、GWで合格レベルに達することが目標となります。

理論については、A・B論点を完璧に暗記することが目標となります。これまでは、予備校のカリキュラムに沿って理論を暗記し、一度暗記した理論を忘れても問題ありませんでしたが、直前期においては理論を回し暗記の定着を図ります。また、事例問題などの応用理論の対策も本格的に開始する時期となります。

 

(2) GW~公開模試

6月中旬にはTの公開模試、7月初めにはOの公開模試があります。

公開模試の活用方法については別の機会に書こうと思いますが、公開模試で高得点を獲得できるように学習を進めます。

計算についてはこれまでの答練で出た問題は完璧に解けるようにします。公開模試後は理論の学習がメインとなるため、計算は公開模試の時点で合格レベルに達している必要があります。

理論はA、B論点と改正論点は完全に暗記し、事例問題など応用問題についても答練の問題や応用理論問題集を用いて対応できるようにします。応用問題はこの時期に集中して取り組み他の受験生との差を広げたいです。

私は、公開模試の判定と本番は直結していると思います。公開模試は本番の1~1.5月前に実施されるので、公開模試後に逆転する時間はあまり残されていません。

 

(3) 公開模試~本番

公開模試から本番にかけては、計算でも理論でもまずは公開模試で失敗した論点を復習して完璧にする必要があります。公開模試で出題された項目については関連する周辺論点も含めて復習しておきましょう。

計算については、過去の答練の総合問題のうち復習すべきものを2日に1回程度解いた方がいいでしょう。個別の計算論点については間違えメモを見直して同じ間違いをしないようにしましょう。

理論については、C論点をある程度書けるように暗記しつつ、A・B・改正論点を回します。応用理論は単に問題に対する解答にするだけでなく、関連する理論のアウトプットを同時に行うことをお勧めします。

 

直前期の学習が合格に直結するので頑張りましょう。

 

今回はこれまでとなります。

税理士試験長期化の要因

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

今回は、税理士試験が長期化する要因について書きたいと思います。私が考える税理士試験が長期化する要因は以下の3つと思います。

 

1.科目合格制

2.勉強環境の維持

3.モチベーションの維持

 

1. 科目合格制

税理士試験の長期化の要因の一つに税理士試験は科目合格制になっているという制度面が挙げられます。複数科目を一度に合格する必要のある司法試験や公認会計士試験との大きな違いとなります。司法試験や公認会計士試験は1回あたりの試験科目が多く働きながら合格することはほぼ不可能ですが、受験に専念し2-3年での勝負となります。

一方で、税理士試験は社会人が働きながら1年に1~2科目ずつ合格を目指すことが可能となっています。合格までに最短で4-5年はかかります。こちらの記事でも書きましたが、働きながら4年で合格するのはかなり難しく、5年でも相当順調です。1科目当たりの難易度が高く制度面からも長期化は避けられないと思います。

 

2. 勉強環境の維持

税理士試験は合格までに最短4-5年かかります。働きながら5年間税理士試験の勉強を継続する環境を維持するのはかなり難しいです。家庭環境や仕事環境の変化によりどうしても勉強に十分な時間が取れない時期が出てしまいます。

(1) 結婚

独身の方であっても4-5年の間には結婚を考えることもあると思います。結婚する場合には、結婚式や新生活への様々な準備で時間をとられます。結婚生活が落ち着くまでは十分な勉強時間を確保するのは困難となります。

(2) 子供の誕生

子供が誕生する場合には、女性は妊娠中から授乳期にかけては勉強時間を確保するのが困難ですし、男性も子供の誕生後に勉強時間を確保するのは難しいと思います。そもそも子育てより勉強を優先すべきか、収入・家庭環境・ライフプランを踏まえて家族で相談してよく考える必要があります。

(3) 家庭のイベント

勉強の期間が長期に渡れば子供が生まれること以外にも、色々と家庭環境が変化する可能性があります。家族が病気になったり、子供の習い事や受験などのイベントが発生したりすると、勉強時間が十分に確保できなくなります。円満かつ充実したな家庭生活を送ることは人生にとって重要なことで、家庭生活と勉強との両立は非常に難しい問題となります。

(3) 仕事環境

勉強期間が長期となると仕事環境の変化も避けられません。こちらの記事で書いた通り、転職すると仕事と勉強の両立に慣れるまでに時間がかかり、転職後1-2年は合格可能性が下がると思います。また、転職をしなくても転勤や異動により仕事内容や職場環境が変化すると同様にその後1-2年は合格可能性が下がると思います。

 

このように、2-3年であれば多少無理して勉強を最優先とすることも可能と思いますが、4-5年以上となると様々な環境変化が起こる可能性が高くなり、長期間勉強環境を維持することが困難となります。能力があっても働きながら4-5年で合格するのが難しいというのはこの点にあると思います。

 

3. モチベーションの維持

勉強環境の維持の次に問題となるのが長期的なモチベーションの維持となります。最初の1-2年はモチベーションが高く勉強もはかどります。4年目ぐらいからは勉強にも飽きてきてモチベーションも低下してきます。また、1年で1科目以上順調に合格しているうちはいいのですが、1科目も合格できなかったときは著しくモチベーションが下がります。

私の受験経験を振り返っても、長期間モチベーションを維持するのは非常に難しいことだったと思います。モチベーションの低下から試験を受けない年もありました。

 

こちらの記事でも書きましたが、税理士試験を含む日本の資格試験は難しすぎると思います。働きながら2-3年で合格できるレベルの試験にすべきと思います。

税理士試験の合格を目指す方は、長期的に勉強環境やモチベーションを維持できるかをよく考えてチャレンジした方が良いと思います。

 

今回はここまでとなります。

よろしくお願いします。

ここが変だよ税理士試験(理論問題編)

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

今回は私が思う税理士試験の問題点についてのお話です。前々回は試験全般、前回は計算問題について書きましたので、今回は理論問題について書きたいと思います。

 

税理士試験の理論問題の一番の問題点は、べた書きに偏重しているということだと思います。事例問題趣旨を問う問題も出題されますが、未だに大半はべた書きの問題で、事例問題ですら実質的にべた書きの問題となっていることもあります。

「○○について説明しなさい」というべた書きの問題も法令の条文そのものを解答するのではなく、法令をまとめ直して解答するものですが、主要な項目は予備校が既にまとめを作成していますので、受験生は予備校のまとめ(理論マスターや理論サブノート)を暗記してこれを再現するだけとなります。

暗記とその再現の正確性を競う試験に何の意味があるのか分かりません。べた書きの理論問題を出題するのであれば絶対評価にすべきです。相対評価の試験ではべた書きの理論問題を出題すべきではないと思います。

 

税理士試験の理論では法令の内容を理解し覚えていなければならないとはいえ、私は、税理士試験で理論を一字一句暗記することには何の価値もないと思います。法規集の持ち込みを可として、法令の適用や理解を問う問題を出題すべきと思います。

 

私は、法人税や消費税の事例問題は良問が多いと思います。特に、法人税の事例問題では受験生自身に前提条件を設定させて場合分けをさせたり、適用要件に加え税務上の仕訳をさせたりするなど考えさせる問題が出題されています。私は、税理士試験の問題に良問が増えることを願っています。

 

今回はここまでとなります。

よろしくお願いします。

ここが変だよ税理士試験(計算問題編)

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

今回は私が思う税理士試験の問題点についてのお話です。前回は試験全般について書きましたので、今回は計算問題について書きたいと思います。

 

1. 試験時間

税理士試験の計算問題は時間に比して問題量が多いと思います。前回も書きましたが見直しする時間がないほどのスピードを要求することに何の意味があるのか私には全く理解できません。

落ち着いて処理を考え、見直しをしたり途中で間違えに気づいたら修正したりできる十分な試験時間を確保すべきです。

計算は一般的に60-70分が標準的な解答時間となっていますが、今の計算問題の分量であれば90-120分の時間を受験生に与えるべきだと思います。

 

2. 問題の取捨選択

税理士試験の計算は試験時間がないこともあり問題の取捨選択が合否に大きな影響があります。問題の難易度を素早く判断し、難しい問題は解答せずに簡単な問題を確実に正解する必要があります。

簡単な問題は正解しなければならないのは当然ですが、難しい問題に取り組まないことが合格のための近道というのが資格試験として適切でしょうか?

実務では難しい課題があったとしても法令や通達をしらべて根拠を持って一定の結論を出さなければなりません。専門家として難しいから分かりませんと言うことはできません。

難しい問題を避けるのが合格のための正しい戦略であるという試験は、資格試験としては適切ではないと思います。判断が難しかったとしても根拠を書いて一定の結論を出し、根拠の記載を踏まえた採点が資格試験として適切な問題・採点方法であると思います。

税理士試験に限らず、問題の取捨選択で合否が決まる資格試験は不適切と思います。

 

3. 集計

こちらも試験時間が足りないことと関連しますが、課税標準額の計算など時間ばかりかかる集計作業は試験に不要と思います。実務であれば検算をしたりPCを用いたりして正確な集計をします。単純な足し算や引き算を見直す時間もなく電卓での手計算で解答させることに何の意味があるのか私には全く理解できません。

特に、相続税の各相続人の課税価格と相続税額は、相続人が5,6人も出てきて集計するだけで相当の時間を要します。集計をしなくても合格した人もいるようで解答欄があるにもかかわらず集計すべきか受験生を迷わせる非常に悪質な問題と思います。

 

今回はここまでとなります。

よろしくお願いします。

ここが変だよ税理士試験(試験全般編)

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報をお伝えします。

 

今回は私が思う税理士試験の問題点についてのお話です。まずは試験全般の問題点について書きたいと思います。

 

1. 難易度と相対評価

私は、税理士試験は相対評価で合格率も低く難しすぎると思います。これは、税理士試験だけでなく会計士試験や司法試験などの難関資格一般に同様の傾向であると思います。

 

専門家として必要な能力は私が思いつくだけでも以下のようなものがあります。

  • 専門知識
  • 顧客ニーズの把握
  • 説明・プレゼンテーション能力
  • コミュニケーション力
  • 交渉力
  • 営業力

試験で測ることができるのは「専門知識」のみで、専門家として必要な能力のごく一部です。「試験ができる」=「専門家として有能」ではありませんし、「試験ができる」=「専門知識がある」とも必ずしも言えません。

私は、税理士試験は有資格者として最低限の専門知識を有しているかを確認するための絶対評価とすべきと思います。

 

司法試験や会計士試験は働きながら試験に合格するのは困難です。学生時代に受験を開始するか、仕事を辞めて勉強に専念しなければ合格が難しいです。税理士試験は働きながら合格することは可能ですが、働きながらであれば最速で4年、一般的に8年程度はかかっています。働きながら試験に合格するのは可能とはいえかなり難しいです。

 

試験の合格者を増やすと有資格者のレベルが下がるという意見もありますが、現在の試験制度は、能力や経験値が高くても社会人経験者が試験に挑戦すること自体が難しく、むしろ有資格者のレベルを下げていると思います。既資格者が競争を避け既得権を守るために参入障壁を高くしているとしか私には考えられません。

 

私は、税理士試験を絶対評価とし、社会人が働きながら2-3年で取得できる難易度とすべきと思います。試験勉強にばかり時間をかけるのではなく、専門家としての研鑽に十分な時間を充てられるようにすべきです。

 

2. 地方税は試験科目に不要

税理士試験の受験科目から地方税(住民税、事業税、固定資産税)は外すべきです。地方税はそもそも分量が少なく、賦課課税方式の税であるため税額計算や手続のバリエーションも乏しく、相対試験の科目として差がつくような問題を作成することが難しく

試験科目に不向きです。理論は速記試験となり、計算はワンミスするかどうかの勝負となります。このようにわずかな差で合否を分けることに何の意味があるのか私には分かりません。

 

3. 試験の分量と制限時間

税理士試験は1科目2時間と決まっています。試験の分量は多く、見直しの時間が取れる科目は財務諸表論と国税徴収法ぐらいかと思います。その他の科目は、理論は速記試験となり綺麗な字を書く余裕はなく、計算も問題の取捨選択をしつつ何とか解答欄が埋まるかどうかです。(相続税の計算の解答欄は埋まらないと思います。)見直す時間はほとんどありませんし、途中で間違いに気づいても書き直す時間がありません。スピード勝負でかつ1回で正解を導き出さなければなりません。

実務でも期限はあるのでスピードも大切ですが、やり直しや確認の時間が全く取れないということはありません。落ち着いて対応し、見直しをして正確な仕事をすることの方が重要です。試験でここまで瞬発的なスピードを求める必要があるのか私には理解できません。

私は、今の試験の分量なら試験時間は1科目3時間にすべきと思います。

 

4. 採点基準と模範解答の公表

税理士試験では出題のポイントは公表されていますが、科目や年によって記載の粒度が異なり、有益なものもあればほとんど内容がないものもあります。模範解答も採点基準も公表されていません。また、自分の答案について開示請求をしても黒塗りでどのように採点されたかは開示されないようです。

このように、税理士試験の採点は非常に不透明で公平な採点がされているか不明です。民間資格なら主催団体が勝手にすればいいと思いますが、税理士試験は国家資格の試験であり透明性が求められると思います。

私は、模範解答と採点基準は公表すべきと思います。

 

5. 合格発表までの期間

税理士試験は合格発表まで約4カ月もかかっています。5科目を受験する公認会計士の論文試験で3カ月、8科目の司法試験の論文式試験で4カ月となっています。記述式の国立大学の2次試験も2週間程度で合格発表があります。税理士試験は1科目ずつ合否を判定するものであるにもかかわらず、これらの試験と比べ非常に時間がかかっています。予備校の模擬試験であれば1-2週間で採点が終わります。

税理士試験がどのような体制で採点されているのか分かりませんが、採点のための十分な人員が確保や採点基準の明確化がされていないのではないか思います。

税理士試験は科目合格制をとっており、合否の結果は次の科目の学習に大きく影響してきます。合否の結果が予想通りであればいいのですが、予想に反して合格又は不合格となっていた場合には、4か月間の学習科目の選択の誤りにより無駄な時間や予備校の費用を費やすことになりかねません。合格発表までの期間が長いことは、人によっては1~2年受験期間が延びるほどの影響があると思います。合格発表が遅いことは受験生にとっては大きな負担です。私は、試験から合格発表まで2カ月ぐらいにすべきと思います。採点のための人員の確保や採点基準を事前に明確にしておくなどの対応をすれば十分に可能と思います。

 

計算問題や理論問題の問題点については、今後書きたいと思います。

今回はここまでとなります。

よろしくお願いします。