T-アレックスの社会人のための税理士試験講座

社会人が働きながら税理士試験に合格するための情報を発信しています。金融関係の仕事をしながら官報合格済み。その他キャリアや英語学習の情報も発信しています。

税理士試験の予備校選択のポイント

こんにちは、T-アレックスです。

このブログでは、社会人が働きながら税理士試験を合格するための情報をお伝えします。

 

今回は、税理士試験合格のための予備校選択のポイントのお話です。

 

  • 税理士試験に予備校を利用せずに合格することは不可能と思います。

 

税理士試験は2021年が第71回で70年以上の歴史がありますが、試験のシステム(時期、試験時間、形式など)に大きな変化がありません。予備校のノウハウが詰まったカリキュラムを活用することが、早期に合格するために必要となります。受験生自身が市販のテキストで予備校レベルの分析をして、合格に必要十分な質・量の勉強をすることは不可能です。また、会計基準や法令の改正に自分で対応することも不可能です。

 

1. 学習形態

予備校の選択の前に学習形態のお話をします。学習形態には、通学、Web通信/DVD通信、資料通信と3つあります。私は、社会人が働きながら勉強するためには、Web通信が最も良いと思います。

 

(1) Web通信のメリット

Web通信のメリットは以下の3点です。

① 通学の必要がないため学習時間が自由

私は通学の移動時間は無駄と思います。残業や家庭の事情で必ずしも一定の時間に受講できない社会人にとっては、Web通信が最適です。Web通信であれば仕事の昼休みを利用して受講することもができます。

 

② 再生速度の変更や巻き戻しが容易

再生速度が変更できるというのも大きなメリットです。私は、講師の話すスピードにもよりますが、だいたい1.6倍ぐらいで視聴していました。時間短縮になります。(予備校のサイトでもWeb通信での1.4~1.6倍速の視聴での時間短縮がWeb通信のメリットとして記載されています。)また、聞き逃したり理解ができなかったりした箇所をすぐに巻き戻して再生できるもの大変便利です。

 

③ 講師の質が安定

大手の予備校となると多くの講師が在籍しています。通学の場合、講師によって講義の質にばらつきが生じる可能性があります。Web通信では一般にエースクラスの講師が講義を担当しているため、安定して高い質の講義が期待できます。

 

(2) 資料通信について

初学の科目については、資料通信はお勧めしません。講師の解説を聴くことで理解が深まったり、記憶が定着しやすくなったりすると思います。短期合格(特に1科目1年)を目指すためには、講義も聞いた方が良いでしょう。2年目の科目については、資料通信でもいいかもしれません。

 

(3) 通学について

前述のとおり、私は通学の移動時間は無駄と思います。通信は講義が溜まりがちになるので、強制的に学習する通学の方がいいという意見の方もいると思います。私は、通信講座をスケジュールどおりにこなせないのであれば、働きながら税理士試験を合格することは不可能なので、すぐに撤退することをお勧めします。

 

2. 予備校選択のポイント

冒頭に記載したとおり、税理士試験は歴史が長い試験ですので、私は、科目ごとに合格に必要なノウハウは確立されており、予備校によらず合格レベルに達するまでの学習範囲・量は同じであると考えています。

 

私が考える予備校選択のポイントは以下の通りです。

(1) 演習の充実

予備校の講義を受けるだけでは合格レベルに達することはできません。演習で十分なアウトプットをする必要があります。演習、特に総合問題の演習が充実している予備校を選ぶべきと思います。

各予備校のサイトの情報から得られるの総合問題の演習回数は以下の通りです。(2022年合格目標、1-7月の上級+直前、答練+全国模試)Oは調べきれなかったので、分かったら更新します。

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なお、トレーニングや補助教材に総合問題があればその分増えます。

 

(2)  応用理論の対応

べた書き用の理論暗記だけでは事例問題や横断的な理論問題に対応できません。応用理論ができるようになるために、柱の挙げ方や答案の作り方が講義に組み込まれ、応用理論問題集が用意されているなど応用理論への対応が十分な予備校をお勧めします。特に税法初学者が応用理論のノウハウを独自に獲得するのは困難です。

 

(3) 改正対応

会計基準や税法はたびたび改正されます。改正点は本試験での出題頻度も高くなっており合否に直結するため、改正対応が十分な予備校を選択するべきです。改正に対応してテキスト内容を修正するだけでなく、過去問の解答の修正や改題なども必要となります。これらは、受験生が自分で対応するのは不可能です。また、予備校の過去問の対応が不十分だと、テキストの内容と模範解答が異なっていたりして混乱し無駄な時間を費やすことがあります。最悪間違えて覚えてしまうという恐れもあります。

 

(4) 趣旨や背景の解説

本番では、会計基準や税法の趣旨や背景を問われることがあります。会計や税法は物理の理論とは異なり、絶対的な法則というものはありません。現実的な課題に対応するために様々な制度が構築され、随時改正されていきます。趣旨や背景を知ることで試験対策となるだけでなく、計算や理論の理解にも役立ちます。趣旨や背景への対応が十分な予備校を選択すべきです。私は、各論点を最初に学習した時にテキストに書かれた趣旨や背景をざっと読んで理解を深め、直前期にもう一度一通り見直して、本番で出ても白紙にならない程度にしていました。

 

3. 予備校の料金

主な予備校の料金を比較します。

 

(1) 初学の受講料

Web通信、9月開講、初学+上級+直前の受講料を各予備校のサイトから私が独自に調べたものです。正確な料金はご自身でご確認ください。

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(2) 2年目以降の受講料

1月開講、上級+直前の受講料は上記の7掛け程度の受講料となっているようです。

また、TとOの1月開講、上級+直前の資料通信の受講料は簿財と国税3法が10万円程度消費税が6-7万円となっているようです。

 

(3) 合格までの費用

全科目を1回で合格できた場合にかかる予備校の費用は以下の通りです。上段が各校の比較が可能な簿財パック+法相消を選択した場合で、下段はTとOで選択可能な簿財パック+(法or相)+ミニ税法×2のパターンです。

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1年で合格できなかった科目には、上記(2)の2年間以降の受講料がかかることになります。

税理士試験にかかるお金を安くするには、結局短期合格することに尽きます。

 

4. その他のチェックポイント

(1) Webテキスト

一部の予備校ではテキストや問題集がWebテキストで提供され、冊子で入手する場合には別料金となっていたりします。Webテキストで大丈夫かどうかは受験生の好みや適性によります。本番は紙で行われることも十分考慮し、自分にとって何が最適かを判断しましょう。

 

(2) 質問対応

多くの予備校はWeb経由で質問対応をしていますが、質問対応がない予備校もあるようですので注意してください。学習内容が専門的ですので疑問点をネット等で独力で解決をするのは難しいと思います。講師に質問できた方がいいと思います。一般に質問回数に制限がありますが、よくある質問も用意されていますし、そう何回も質問しないので問題ないと思います。

 

(3) 自習室

各地に校舎がある予備校の場合、通信生でも自習室やメディアブースなどの利用が可能です。自習室が利用できる予備校は、自宅以外に落ち着いた学習環境が欲しい人にとってメリットとなります。

 

今回はここまでです。参考になっていれば幸いです。

よろしくお願いします。